iOSを搭載した機器(iPad、iPhone、iPod touch)が、PSPやNintendo DSなどの携帯ゲーム機を抜き、もっとも販売台数の多いゲームプラットフォームとなった。
【IT media Gamez】ipodの生みの親に聞く:
ipod touchは携帯型ゲーム機の新たな地平を切り開けるか?(2/3)
iOS機器全体ではついに1億6000万台ものプラットフォームになったのです。これは、これまでに売れたどのゲーム機よりも多い台数です。Nintendo DSよりも多く、Playstation 2よりも大きな数字です。
任天堂やSONYにとって、今やAppleは競合相手、というより自分たちの存在を脅かす恐るべき存在となっている。
ゲーム機メーカーには無くて、Appleにあるもの、それは「ユーザーの時間を圧倒的に占有するモノを提供し、その中でシームレスにゲームもできるようにする」という仕組みだ。
iPhoneはメールやネットサーフィンはもとより、スケジュール管理や写真撮影・編集、電子書籍を読むといった、様々なことができる。必然的に、一日のうちにiPhoneを使っている時間は長くなる。
そして、iPhoneでネットサーフィンをしている状態から、ふと思い立ってゲームのアプリに切り替えるまで、5秒もかからない。しかし、Nintendo DSでゲームやろうとしたら、
iPhoneのスリープボタン押して → ポケットにしまって → カバンの中からNintendo DSを出して → 電源入れて → 起動するのを待って・・・
と、iPhone内で完結する場合と比べて手間がかかりすぎる。だから「めんどくさいからiPhoneのゲームでいいや」となってしまう。
同記事より
最もいいゲーム機とは、プレイしたい時にいつでもプレイできるゲーム機、つまりポケットに入れっぱなしにしておいても気にならないゲーム機ではないでしょうか。
・・・この図式、なんだかFacebookを連想させる。
Facebookも同じく、Facebookの中で色々できてしまうから、滞留時間が長くなり、わざわざ別のソフト立ち上げるのがおっくうになる。結果、たいがいのことはFacebook内で完結できるし、してしまおうとする。
人間は基本的に面倒くさがりだから、これは避けようがないことだ。
昔は、財布の中のシェア争い、なんて言われたこともあった。実際、MicrosoftはOfficeの新バージョンを発売する時期を検討する際、ファイナルファンタジー(出せば100万本単位で売れる超人気ゲーム)の新作発売日と同じ月は避けるようにしていたらしい。なぜなら、顧客となるサラリーマン層の一ヶ月の小遣いは決まっており、その月はファイナルファンタジーに財布の中身を持っていかれることを理解していたからだ。
だが、今は商材問わず、「顧客の限りある時間をいかに自社商品に割いてもらうか」という「顧客の時間シェア争い」に勝つことが重要になっている。時間を確保したものは強い。確保してしまえば、その中でいかようにでも商売ができる。
これからのマーケッターは、対象となる顧客が、一日のうち「何に」「どのくらい時間を使っているのか」を把握した上で、「1.その時間の一部を当社が奪える余地はあるのか」「2.奪えないとしたら、今顧客が時間を費やしてるもの(iPhoneなど)の中に、(アプリなどを介して)入り込むことはできるか」を真剣に考えなくてはならない。
現実的には、「1」はハードルが高いので、「2」の路線でなんとか入り込んでいくことになる。
とどのつまり、企業がtwitterの公式アカウントを作ったり、facebookのファンページを作ったりするのは、そういうことなんだろーなぁ。
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